鬼の岩

阿須那地区の大庭集落と上戸河内集落をつなぐ山道に、

直径が3〜4㍍ほどもある、大きな岩が山道の中腹に、ドシンと居座っています。

この岩は、昔出雲の国にいた鬼が、人の往来に邪魔になっていたこの大岩を、

安芸国(広島県)の川根のオシゴロという場所まで捨てに行く道中、

二日二晩かけてやっとこさ背負ってきて、石見の国の戸河内坂まできてひと休みしていたところ、

通りかかったお婆さんに「(川根の目的の場所まで)どのくらいかかるのかい?」と聞くと、

お婆さんが「戸河内まではあと十日。その向こうの長田まではさらに七日。

それよりもっと先がオシゴロだ!」と答えたそうで、鬼はたまらずこの場所に大岩を置いて逃げ出してしまいした。

この大岩には鬼の背負った跡と伝わっている背跡が残っています。