あやめが池
口羽地区の菖蒲(あやめ)集落には、“あやめが池”という池の跡が残っています。
その昔、後醍醐天皇が隠岐国へ流される時、この場所へ立ち寄り、
池のそばの大きな石へ腰をかけ、ご自身の運命の悲しさに思い沈んでいると、
大きな金色の亀が池に三度浮き沈みをし、最後には首を長く伸ばして、
何かを言うかのように、池の底へ沈んでいったそうです。
この亀の美しさに見惚れておられた後醍醐天皇は、
「あなうれしや」と、前途に希望を持つことができたそうで、
この池の名を“金亀水(きんきすい)”と名付けられ、
それ以来、長寿の水として伝えられるようになりました。
現在は池の水も枯れておりますが、地元の昔話として、今でも語り継がれています。