西連寺楼門と長山喜一郎
阿須那地区細貝集落にある、西蓮寺(さいれんじ)には、浜田市旭町の正蓮寺、邑南町市木の浄泉寺の門と共に「石見三門」と呼ばれる楼門(ろうもん)が建ってます。
この西蓮寺楼門は、上棟されたのが江戸時代末期の1848年で、和田の巧と称された長山喜一郎が手掛けました。
長山喜一郎は大変な酒飲みだったそうですが、その腕前はすばらしく、門に彫られた竜が、夜な夜な水を飲みに抜け出したという伝説も残るほど、見事な彫刻が施されています。
楼門は瓦葺2階建てで、柱には欅(けやき)が用いられ、金釘は一切使われていません。
また、高さ11㍍、幅8.3㍍、奥行き4.4㍍の大きさを誇り、工事に従事したのは延べ一万人にものぼったと記録がある、歴史ある建造物になります。
そして石見三門の中で、唯一の未完成の門としても有名なのですが、その理由として、浜田藩の倹約令などが原因であったのではと考えられていますが、夜、長山喜一郎の前に欅の精霊が現れたことがきっかけで未完成のまま長山喜一郎が逃げ出してしまった、など、いろいろな説が残っています。
しかし、未完だからこそ、その貴重な構造をみることができる、他と比べることのできない価値があるのではないかと思います。


