延命寺の謝恩の階段(しゃおんのかいだん)

下口羽地区西之原集落には、室町時代1484年(文明16年)に開山され、
宮尾山八幡宮の宮寺である“真言宗 吉祥山 延命寺”というお寺が建っています。

毛利家「御四人(おんよにん)」と称され、中国地方の覇者、毛利元就・隆元・輝元と、
3代に渡って仕えるほどの重臣『口羽通良公』の祈祷寺としても有名で、歴史あるお寺になります。

江戸時代嘉永四年(1852)第23代住職円雄師の時代、
この地域にとても大変な干魃が起きた時に、一週間もの間、
宮尾山に立ち籠って、雨乞いの祈祷をされたそうです。

そして祈祷満願の日、フラフラになりながら帰山すると、
雨乞いによって、突如としてそれから大雨が三日三晩降り続いたそうで、
地域に喜びが溢れかえったという逸話が残っています。

この寺へ登る階段は、円雄師への感謝の気持ちから、
誰がいうとなしに、約36メートルという長さの石段が、あっという間にできあがったということです。

現在はコンクリート造りに整備されていますが、地域に愛された由緒ある階段になります。